喫茶を楽しむ。

休日だった。
ため込んだ洗濯物を片付け台所を片付け部屋を少し片付けNETFLIX で連続もののドラマ全6話を見て夕方近くに外に出た。
涼しい。
スターバックスの窓に向かったカウンター席でTSUTAYAで手にとった雑誌を見てチョコレートなんとかってやつを飲みながらスマホでこれを書いているのだ。
横並びにいるひとたちはみなひとりで来ていて本を読んだりパソコンを開いたりスマホをみていたりと静かである。
しかしわたしの背中方面では主婦らしき女性2人が猛烈にしゃべっていたり、小学生らしき3人がグループLINEについて楽しそうにしゃべっている。
聞き耳を立てているわけではない。
猛烈だったりサイコーに楽しかったりでやたら声がでかいのだ。
なんかおもしろい。
家に居るのが嫌いじゃないけど休日にひとりスターバックスでコーヒーを飲むのはおもしろい。
あ、飲んでいるのはチョコレートなんとかだった。
そして自分もあちら側だったなあと思った。

うんと昔、小学生の頃。
友達数人と初めて喫茶店に入った時のこと。
何を注文して良いのかわからずメニューを見ながら目についた「レモンティー」を頼んでみた。
レモンティーなんて飲んだことはいちどもなかったから出てきた酸っぱい茶色いお茶にちょっとがっかりした。
Aちゃんが頼んだアイスコーヒーは美味しかったのだろうか。
Bちゃんのクリームソーダは世界一美味しい飲み物に見えた。
とりあえずそんなことなんてどうでもよく(実際どうでもよくなかったから憶えているんだろうけど)夢中になれる話題があってその場はほんとに楽しかったのである。
もちろんスマホが発売されるより遥か昔のことで話題といえば漫画の話だったに違いない(そこは憶えていない)。
何十年か後にテレビ電話が出てくるなんて微塵も思わない小学生たちは漫画の主人公に夢中だったのである。
世界は狭かったのだ。
学校と家とそろばん塾と漫画の中だ。
ラインなんて運動会の時に先生が腰をかがめて校庭にひく白い線くらいしか思いつかない。
そんな小学生だった自分が20年もするとドリンクバーのあるファミレスで女友達と出たばかりの二つ折りの携帯電話を手にアドレス交換しようと必死にアルファベットを打ち込み、絵文字を送り合ってぎゃあぎゃあと迷惑なおばさんとなるわけなのだ。

昭和、平成、令和と3時代をカップを片手に友人と喫茶生活を楽しみながら生きてきた自分なのだがいまいちちょっとわからないことがある。
お金を払う前の本をコーヒーを飲みながらゆっくり読んで選んで良いというシステムの仕組みである。
調べないし教えてもらわなくても、いつかやらかした時にちゃんと知ることにはなるだろうと思ってはいるのだけどね。